MEMENT

2002年1月12日

1月12日。午後3時。

うわっ、銀行開いてねぇっ!?

UFJと掲げられた銀行の正面に立ち、薫子は途方にくれた。
都会に出入りするようになって10数年。土曜の昼間はキャッシュディスペンサーは常に稼動しているものと信じていた。
大きい支店は、24時間引きおろしができる。
そんな便利な時代に薫子は育った。

それが。
その銀行が、今目の前で硬く扉を閉ざしている。
「なぜだぁああああああ!!」
正気を失いかけた薫子の目に飛び込んできたのは、一枚の、あまりにも粗末な張り紙だった。

CDの営業を休止させました。

すべてのCDの営業を休止させました。

年末年始と成人の日三連休はすべてのCDの営業を休止させました。

すべての金融機関において年末年始と成人の日三連休はすべてのCDの営業を休止させました。

にゃんだとぉー!?

薫子所持金1千円。
AS所持金5千円。

あまりにも寒い。

***

1月12日。午後2時。
郵便局にてバンクカードを獲得。
薫子「これで金欠からは逃れたぞー!!」

1月11日。午後11時。
薫子「……私、あと1000円しかお金ない……」
ぼん「薫子さんおごりますよ……」
薫子「……(泣)」
ぼん「連休どうするんですか……」
薫子「……←号泣」

1月11日。午後5時。
K賀「薫子ちゃん、銀行のCDって通帳じゃおろせないんだよ」
薫子「えっ、嘘ぉ!?」

1月7日。午後2時。
りさ「三和銀行から電話です」

話は一週間前にさかのぼる。
一週間前、私のメインバンクである三和銀行から職場に電話があった。
うろんげな取次ぎのりさちん。
「銀行からですけど……」
「……まずった。なんか支払いわすれてたかな……」
一瞬いろんな悪事が脳裏をよぎるが、私の場合、支払い忘れて連絡がくるのは国税庁かカード会社のどっちかである。
電話にでると、もの言いだけは丁寧な男性営業マンが、
「綾小路薫子さん、カードをお忘れになってますよね?」

……。
そうだった。
銀行のCD行ってから、カードみてない。そういえば。
というわけで、私はカードを紛失していたのだ。

この日から、呪わしい日が始まったのであります。
ていうか、予測しろよ、自分!!

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